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代表取締役社長インタビュー

会社の強みを再認識するための原点回帰 現場に強い人材育成と組織作りに注力する

代表取締役社長 加藤正造

Profile

昭和46年、新日本製鐵に入社。計測制御・プロセスコンピュータなどの現場実務および製鉄技術全般にわたる開発行政を担当。昭和61年、新規事業開始に伴って発足したエレクトロニクス・情報通信事業本部(新日鉄ソリューションズの前身)に異動し、事業立ち上げに従事。平成11年、新日鉄グループの総合エンジニアリング企業である太平工業に入社。平成23年6月まで経営全般に携わる。特に平成16年にはシステムソリューション事業部長を務めるかたわら、同事業部からビジネス系(業務システム)部門を東京ビジネスソリューションとして分社し、初代社長を務めた。平成23年6月に5年ぶりに社長として再登板となる。

5年ぶりに成長したTBSOLへ復帰。そこで感じた、変わったこと、変わらないこと

:TBSOLの概要とバックグラウンドについて

東京ビジネスソリューション(以下TBSOL)は平成16年7月にスタートを切った新しい会社ですが、元々は太平工業において製造現場を中心としたシステム開発を30年間にわたり行なってきた実績があります。この30年という歴史の中で、現在TBSOLの中核となっている人材が育成され、実績を積み重ね、お客様からの信頼を獲得してきました。

しかし、近年この分野は極めて速いサイクルで変化しており、経営のスピード、柔軟な人事、専門性の高い人材の育成、そして最新技術を獲得するための戦略的な投資などを実現するために分社の道を選択しました。 TBSOLは現在、主に製造業や流通・サービス業に対してERPやSCM、MES、BIおよび情報・ECサイト構築といった情報サービスを提供しており、この分野が当社の大きな強みです。

 

【写真】 東京ビジネスソリューションの社内風景。情報漏洩対策を施した200人規模のプロジェクトルームを完備する

:TBSOLの社名の由来は?

設立当時、母体である太平工業にこだわりすぎてはいけないと思い、「良い人材を確保し、より多くのお客様に関わりたい」との意識もあり、もっと一般にわかりやすく、広くアピールできる社名を考えていました。そこで、「東京を拠点とし、ビジネスソリューションを提供する会社」であることを表わすため、ストレートな名称に決めました。

:社長就任までの経緯について

7年前の会社設立時は社員約60名でスタートしましたが、現在ではちょうど2倍の120名規模にまで成長しました。TBSOLとしての新卒第1期生が入社後6年目を迎え、いよいよ実戦力としてプロジェクトの中核で活躍を始め、「本当に成長したなあ」とあらためて実感しています。新会社としてはこれまで極めて順調に拡大してきたと思います。

ただ、数値的に見ると確実に成長を遂げているのですが、「中身はどうか?」と自問すると、会社発足当初と「いい意味でも悪い意味でも変わっていない」と感じます。
TBSOLは、設立時から「風通しのいい」社風の会社でした。社員同士、困ったら助け合い、仲間意識や結束力もありチームワークがとても良かった。成長を目的として分社化を行い、社内でのモチベーションも高まっていきましたが、反面、現在は規模が2倍になったため、設立当時の良さが若干希薄になった感もあります。

会社の規模がある程度大きくなると、運営の仕方にも仲間意識だけではなく、組織的な対応が求められます。そのために、今一度、会社発足時の原点に立ち返り、5年先、10年先の姿を全社で議論し、我々の進むべき道とそのための施策を明確にし、PDCAを着実に回して実力のレベルを上げていくことが重要です。
「選択と集中」により、我々のコア・コンピタンスをより強固なものとし、その推進にふさわしい組織体制に脱皮していくことが必要になります。

人材の面でも、大プロジェクトに対応できるプロマネや高度な技術を有するプロフェッショナルだけではなく、将来の経営を担うマネージメント層の育成・強化も大事です。
自立した会社となるためにやるべきことはまだいろいろとありますが、いたずらに規模を追うことなく、ユニークな特徴を有するオンリーワンのシステムインテグレータを目指していきたいと思っています。
今回、5年ぶりにTBSOLに戻り、会社発足時の考えをベースにしながら、会社の体質や風土を組織体としてより良い方向へいかに変化させていくかが、私の役割であると感じています。

現場に強い人と会社を目指すための、計画的な人材教育プロセスの大切さ

:「現場がわかる(現場に強い)」システム会社とは、どうあるべきか?

一般的に業務は、「人」「物」「金」——の3つで構成されると言われていますが、その中で「人」と「金」は共通的な概念です。しかし、「物」は業種・業態によって固有の特性があり、あわせてお客様によっても変わります。この特性が、すなわち「現場」ということになります。

我々はお客様の中に入り、対話や議論を行いながらお客様と課題を共有することによって、「現場」を知ることができました。この蓄積がTBSOLの大事な財産になっています。TBSOLはソリューション提案力を最大のセールスポイントとしていますが、これはまさに「現場がわかる=お客様の特性がわかる」ことがベースにあるからできることです。
パソコンに向かいプログラミングしてソフトウエアを作ること以上に、「現場をよく理解し、お客様の課題の本質がわかること」が大切であると思っています。
TBSOLの前身である太平工業時代にも、システムの仕事を30年継続してきました。その30年の歴史と経験の中でも、プログラムを作る仕事以上に、「現場をわかる」までの本質的な知識とノウハウを得ることを大事にしてきました。

新たな事業分野を確立するためには、その技術を習得すると同時に、お客様の中に積極的に入り実務を通じてノウハウを身につけ、またお客様の課題を共に考えることが求められます。
そのために最も重要なことは、それができる人材が揃った組織にしていくことです。すなわち人材育成こそが最優先課題となります。人材の育成には経験も必要で、時間もそれなりに掛かります。事業確立するまでは時間も先行投資と捉え、戦略的に取り組むようにしています。

:「現場がわかるシステム会社」を実現させるために取り組んでいること

最近、入社してくる若い世代では、自分の作ったシステムが実際にどういった現場で使われ、どのような役割を担い、万が一トラブルが発生した場合にどれほどの損失を伴うのかが理解できない人が増えています。そのためにも、社員に対してしっかりとした教育を計画的に行うことが大切だと思います。経験を積むだけでは時間がかかるし、個人によって知識やノウハウのバラつきが生じます。

具体的な教育内容としては「OFFJT」と「OJT」で構成されており、OFFJTは基本を理解する目的で若手の人材を中心に行われます。
一方、「現場がわかるシステム会社」の実現には特にOJTが重要で、実業務や、実際のプロジェクトを通してお客様と対話し、お客様の課題を知り共有することで初めて、現場がわかる人材を育成することができます。
自分が関わったソフトウエアが、実際のシステムでどう使われているのか、また現場でどう利用されているのかを体験として理解してもらう。時としてトラブルが発生してお客様から叱責を受ける場合もあります。「叱られる」ということ自体も、「お客様の痛みを知る」という意味でたいへん貴重な経験となります。それら現場での実体験を経て、ようやくお客様とともに課題解決のための議論に加わっていく。
この一連の教育プロセスを計画的にやっていかなくてはなりません。これらを継続的に続けていくことが、人材育成、更には“会社の強み”につながることだと思います。

「会社の強み」を高めるためには、意識的な作り込みが求められる

:これから特に注力したいことは?

5年を経てTBSOLに戻り、人も増えて会社自体も大きくなった現在、会社発足時のコア・コンピタンスであり「強み」であったものを明確化し、会社全体に浸透させたいと思っています。「会社の強み」というのは、自然にまかせるのではなく、意識的に作り込んでいくべきものです。

併せて、品質管理の強化を図りたいと思っています。最終的にお客様の信頼を得るためには、成果物が要求に合った内容でかつ品質的に安定していなければなりません。
品質レベルはその組織の実力を測る有効な尺度であり、また品質の安定化は「やればできること」です。お客様に出荷するソフトウエア品質については我々のパートナーも含めて考えなければならないし、さらには我々自身の業務品質についてもレベルを上げる必要があります。
強いTBSOLになるための戦略を練っていくことが、再登板した私に求められることと、身を引き締めているところです。

:東日本大震災以降、製造業・流通業に強いシステム会社として、とりわけ思うところは?

今回のような常識を超えた震災が発生した場合、全社機能が一極に集中することの危うさをひしひしと感じました。
われわれ自身の問題としては緊急事態への備えは必ずしも十分とは言い難く、万が一にも何かあった場合には会社として致命的なダメージを受けかねません。そのためにも「事業継続計画(BCP=Business Continuity Plan)」は今回の経験も参考にしてできるだけ早く内容の充実を図るようにしたい。

また、お客様に対しては、非常事態を想定した「緊急事態に強いソリューション」を提案できるように、議論の場を積極的に作るようにしてきたいと思っています。これもまた、「現場がわかるシステム会社」としてTBSOLが果たすべきソリューションの1つであると考えています。

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